特定非営利活動法人コアネット

平成23年度に板橋区から受託した「ビジネスチャンス開拓支援事業」が3月末日を以って終了しました。

今期は以下の二つの契約を板橋区と締結し、合計21社の支援に当たりました。

1. ビジネスチャンス開拓支援事業(継続支援)
   

   対象：

   平成22年度の支援企業17社の中で、継続支援を希望した9社

   期間：

   平成22年5月13日～平成24年3月31日

   参加企業9社は全て製造業
2. ビジネスチャンス開拓支援事業(新規支援)
   

   対象：

   平成23年度に新たに応募した企業12社

   期間：

   平成22年7月12日～平成24年3月31日

参加企業は、製造業7社、システム開発1社、メンテナンス業1社、専門技術のコンサルタント業1社、特殊部品の修理業1社、特殊物品のレンタル業1社といった内容で、平成22年度に較べ、多彩な業容の会社でした。

• KICCものづくりフォーラム 商談会・企業交流会(平成23年9月13日(火))
  4社の発注企業を招致
• 企業情報交流会(平成23年11月18日(金))
  17社の発注企業を招致
• 第15回いたばし産業見本市(11月17日(木)～11月19日(土))
  コアネットのブース設置
• 海外展開支援セミナーを企画実施(平成24年2月24日(金))
  セミナー講師の招聘と個別相談に対応

今年度は「継続企業」と「新規企業」の二つに取り組むことでイベントが増え、また昨年のミニ商談会に替えて、今年度は新たに「海外展開支援セミナー」が開催されることになり、どうなることかと心配しながらのスタートでしたが、海外経験が豊富な会員も含めて新たなメンバーがこの事業に参加し、成功裏に終えることができました。

継続、新規を合わせて、合計124回の個別支援が行われ、これにイベント時の支援を加えると合計154回の支援回数となりました。概ね、2～3日に1回は会員の誰かが、支援企業と一緒になって何らかの活動をしていたことになります。

平成23年度は販路拡大のためのマッチングだけでなく、海外展開支援、経営改革支援、営業活動強化の支援といった、企業力強化の支援を希望される企業もあり、これら企業に対しては、「貿易実務教育」、「拡販のための営業マン教育」、「拡販および経営改革支援」といった内容で毎月定例化してメンバーが講演したり、相談に応じたりする活動も展開し、対象企業からは喜ばれる結果となりました。

新たな成約は、継続では5件、新規では1件でしたが、個別の経営支援の実績も含めて、大きな成果を出すことができたと思います。

ただし、継続、新規共に相手先企業と波長が合わず、数社については支援が不十分な結果に終わりました。支援開始に当たって相手先企業と十分な意見交換を行うことや、板橋区とさらに密な情報交換を行うなどして、このような支援未達成の企業を無くして行くことが今後の課題です。

平成24年2月24日(金)に地域企業の海外展開支援を目的として「ここから始める中小企業の海外展開」が開催されました。会場は昨年「ミニ商談会」時に地震に遭遇した「ハイライフプラザいたばし」です。

「基礎セミナー」、「支援機関による海外展開支援事業案内」、「個別相談会」を同一会場で実施し、中小企業の皆さまに役立つ情報を総合的に提供しました。

この事業は板橋区としては今年度に初めて企画したものですが、コアネットの海外駐在の経験をお持ちのメンバーで作成した企画案を板橋区に提出し、企画段階から板橋区と一緒に実施内容を練り上げてきました。

当日は同一会場で「板橋製品技術大賞フォーラム」も同時開催され、基調講演として「中小企業の強みを活かしたチャレンジ」(講師：首都大学東京大学院システムデザイン研究科教授 楊 明氏)が冒頭に行われ、中小企業の強みを活かした高付加価値のものづくりに努力し、グローバル市場に進出することの重要性が強調されました。

続いて、コアネットが招致した講師による「海外展開基礎セミナー～海外ビジネス入門」と題した講演が90分かけて行われました。

講師はコアネットが招聘した芝田政之氏(シバタ・インターナショナル代表、貿易アドバイザー協会会員、ジェトロ認定貿易アドバイザー)です。

「ジェトロ関東」、「東京都中小企業振興公社国際化支援室」、「中小企業基盤整備機構」からは海外展開支援事業の説明が行われました。

個別相談会は、芝田政之氏、コアネットの海外駐在経験者でチームを組み実施しました。

セミナーはほぼ満席の約40名が参加し、盛況でした。相談会では5社から相談を受けました。コアネットの海外駐在経験者の実力が遺憾なく発揮され、各相談に丁寧に対応しました。

平成23年11月17日(木)～19日(土)に板橋区立東板橋体育館を会場にして「いたばし産業見本市」が開催され、それに併設される形で11月18日(金)の13:00～16:30に「企業情報交流会」が開催されました。

コアネットは、この交流会に協力団体として名を連ね、発注企業17社を招致すると共に、各社の交流会にアテンドし、交流会を支援しました。発注企業は、会員の協力を得て、多様な業種の企業を招致することができました。

受注企業を中心とする一般応募企業は49社で、この応募企業と招致企業、また応募企業同士の交流組合せが作られ、21もの交流テーブルが設置されました。各テーブルでは1回30分の交流が1社当たり最大6回行われました。、コアネットが招致した17社に対しては、合計87回の交流が行われ、一般応募企業同士の組合せも含めると、合計115回の交流が行われ、大盛会でした。

この交流会は板橋区では「事前マッチング」といっていますが、事前アンケートによる交流先希望の回答に基づき組合せが決められるしくみになっています。結果的には双方が希望した相思相愛の組合せもあれば、片思いの組合せもできました。アテンドしていただいた皆様からの報告を見ると、やはり相思相愛の組合せの場合に効果的な交流がなされ、発注側からの片思いの場合も効果的な交流になるケースが多いことが読み取れました。それに対し、受注側からの片思いの場合はミスマッチになる傾向があります。また、事前マッチングのための自社PRの書類に、的確に自社の得意分野、要望を記載した会社が、上手く交流できています。

交流した結果を見てみますと、約60%の組合せについては、商談が進行したり、その後も交流継続を希望する結果となりました。日常他企業との交流の機会が少ない中小企業各社にとって、このような交流会が重要であること示す結果となりました。

昨年からの通算で、コアネットの交流会の支援も合計4回目となりましたが、効果的な交流会の持ち方のノウハウがだんだん分かってきました。このノウハウを今後の活動に活かして行きたいと思います。

平成23年9月13日(火)の午後に板橋区、北区、KICCプロジェクト、ものづくり夜間大学校運営協議会が主催し、21世紀ものづくりフォーラムが共催する「KICCものづくりフォーラム 商談会・企業交流会」が開催されました。コアネットは協力団体として名を連ね商談会・企業交流会を支援しました。

KICCは北区、板橋区、クラスター：集団、集積、コミュニティー：地域、共同体を意味し、精密機械技術の集積を活かして健康・医療・福祉産業を育てようというプロジェクトで、同一会場で、フォーラムと商談会がそれぞれ開催されました。会場は3月11日の震災時に大変な思いをした「ハイライフプラザいたばし」です。

商談会には発注企業4社、受注企業18社が参加し、活発な交流が行われました。

コアネットは5社を発注企業として招致しましたが、残念ながら1社が欠席となり、代わりにコアネットで対応しました。発注企業と受注企業の商談だけではなく、受注企業同士の商談、交流も活発に行われ、延べ41回の商談、交流が行われました。

コアネットからは8名が参加し、招致企業と板橋区ビジネスチャンス開拓支援事業に参加している支援企業にアテンドしてフォローしました。これから取り組もうとしている新分野の情報が得られた、普段交流がなかった同業者と交流できてよかったなどの声が支援企業からは寄せられました。

KICCものづくりフォーラムでは嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科、研究科長・教授の黒瀬直宏氏の基調講演が行われ、震災復興のみならず、これからの外圧に対応して行くためには中小企業の連携が特に重要だと強調された講演が行われました。その講演の趣旨を具現化しているような商談会になったと思います。

平成22年度からの継続支援企業9社については、既に活発に支援活動が展開され、数件の受注が確定するなど、2年目に入りマッチングの成果も具体化してきました。

一方新規企業の支援については、7月11日に板橋区との契約の締結ができ、7月12日から支援がスタートすることになりました。新たに12社の支援をすることになり、継続支援企業9社と合わせて、今年度は合計21社の支援を行うことになります。

この契約完了を受け、新規に支援することになった企業との面接会が7月20日(水)、7月25日(月)の2日間開催されました。1社約1時間の面接が行われ、面接会終了後、支援チーム内で打ち合わせ、企業毎の支援担当者を決定し、早速、各担当者による企業訪問が開始されています。

この訪問によって、支援内容の具体化を図り、3月まで支援活動を展開します。

直近のイベントとしては、9月13日(火)に板橋区立ハイライフプラザを会場として開催されるミニ商談会があり、コアネットでは5社程度発注企業を招致し、受注企業との商談を実現すべく準備中です。

コアネットでは、東京都板橋区から平成22年度の「ビジネスチャンス開拓支援事業」を受託し、専任チームを設置して、応募企業17社の支援活動を行ってきました。応募企業の内9社が平成23年度も支援の継続を希望され、これら企業の継続支援の受託に関する契約締結が完了しました。平成23年5月13日～平成24年3月31日の予定で、早速支援活動を再開しました。

平成23年度は、新たな専任チームメンバーを加え、平成22年度の支援の反省を踏まえて、各企業の具体的な要望にマッチした支援活動を展開して行きます。